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執筆者の写真ANRI KATSUKI

夏の青

更新日:2022年6月20日

いよいよ7月8日から大阪で個展が始まります。

大阪での個展は昨年black bird booksで行った「物語と繋がる窓」以来で2回目です。

SAKAINOMAのオーナー様からオファーをいただき、私のイメージに合わせて夏に行いましょう、ということで企画がスタートしました。

古民家を改装したホテル&カフェで、落ち着いた素晴らしい空間なので是非色々な方に見ていただきたいです。


私は幼少期から川や海で泳いで育ったので、水が気持ちよく感じられる夏がとても好きです。

夏はその水があたためられ水蒸気となり雨が降りやすい季節であり、雨をテーマにした作品を新作として出します。

今回の展示タイトルは「夏の青」ですが、テーマは〝循環〟です。

私は掃除を好んでするのですが、掃除で重要なのが循環です。

家も体と同じで循環していないと痛んでいきます。

循環することが生きること、何においてもそうです。

その循環=雨を藍色の鉄の中に留めたのが今回の作品です。


大学時代、多和圭三を師事していたこともあり、私の作品は鉄との対話から生まれたものが多いです。

何かを作るために鉄を選択しているのではありません。

彫刻には具象抽象色々表現がありますが、多和圭三がよく言っていたのが

「見た時に〝何〟と言えないもの」を作っている、です。

知らず知らず影響を受けた結果、その〝何〟と言えないものを私も作っています。

実物を見ればわかる事なので多くは語りません。


ここからは余談になりますが、私は予備校時代から具象彫刻が上手かったです。

模刻をすると大体1番でした。

大学に入ってからも手応えとして上位にいる自覚がありました。

ある時、大学の西洋美術史研究の発表の後にこんなことを言われました。

「あなたにこの言葉をプレゼントします。『技術は習得した後に捨て去るものである』」

確かマチスの言葉だったと思うのですが、この言葉を受け取り胸に留めていること、多和圭三に出会ったこと、が今このような作品を作っている理由としてあるのだろうなと感じます。

今すごくチューリップが作りたいですし、今後どう変わっていくかわかりませんが、

私を応援して下さる皆様に、なんとなくでも伝わるといいなと思い書きました。

ではでは。



勝木


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